物語は唐突に始まる
日もほとんど暮れたとある日曜日 ワタシはいつものようにバスを運転 終点のターミナルへとバスを滑り込ませるところであった(擬人法) ターミナルのとあるシマのベンチに一組のカップルが座っていた 男の服装、まだあどけなさの残る両名の顔からして高校生、 いや中学生カツプルであろう いやらしい 日曜の夜、 昔なら『素晴らしい世界旅行』が終わり そのまま元テレ、もしくはこっつええ感じが始まろうかという時間 その時間にまだこんなところで さも別れを惜しまんばかりに ぎゅっと手を握り合っとる 同じ学校かもしらんが それはそれで友達たちの顔色も気になるだろうから うかつにイチャイチャできんだろうし (だからってここでならできるのか) 違う学校同士だったら 会える時間も制限されるだろう、寂しいだろう わかるよ、うんうんわかるよお兄さんは と男子校出身のワタシはコクコクうなずいとると やおら彼らは 接吻をしたんだ 人目を気にしながら (だったらそんなとこおるなよ) ワタシははたと困ったね だってね お兄さんのバス、 そのシマにつけなきゃいけないんだもの それにね バスをちゃんとシマに正着させないかんから いやがおうでも キミたちのことを凝視するかのように ミラーを見ながらタイヤを切らないかんのよ あーどうしよう、若き二人の恋路を邪魔してはいかん、 けどだからと言って他のシマに入ったんでは 次のバスを待っておる客が全員『そっち行くんか~い』とツッコミを入れてくるのは間違いない・・・ というかそんなことで済むはずもなく始末書もんだ・・・ 彼らヤングカツプルの性行為が目に入った瞬間 ワタシは考えたね いやー考えたさ コンマの刻みで脳内フル回転さ そして 世界で5番目に人のよいワタシは 意を決したさ 思いっきりそのバカたちめがけてバスをシマにつけたさ バスを待っている乗客たちもバカにとっくに気づいており そのバカ(以下バ)をちらちら見ながら そのバを凝視しながら入ってくるバス(擬人法)とバス運転士をちらちら いや 何思われただろ 『わー怒っとるわー』 とか 『いやらしー顔しとるー』 とか 『うらやましそー』 とでも見えたんだろうか この際だではっきり言っとくわ うらやましいわ!! アホ!!!! ※写真と本文は一切関係ありません
by writingonthewall
| 2013-07-09 00:43
| 路線バス運転手というお仕事
|
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